-デスノート×心理学

夜神月の本当のスゴさは「人を動かす力」心理学的に解説!

引用:(C)大場つぐみ・小畑健/集英社・VAP・マッドハウス・NTV・D.N.ドリームパートナーズ

夜神月がLやニア、メロを苦しめたのはデスノートの力だけではなく、彼に備わった天性の人を操る力にあります。

作中でみせる夜神月の社交性、話術、人心掌握には心理学の研究でも効果的と見られるテクニックが巧みに使われており、現実世界にも応用可能なお手本のような内容になっています!

そこで今回は、夜神月を題材に、コロンビア大学心理学博士ハイディ・グラント氏の最新科学をもとに人を操るテクニックを解説していきます!

新世界の神にあと一歩だった!夜神月のスゴさ

夜神月は作中では、新世界の神にあと一歩のところまで迫りました

宿敵であるLにギリギリまで追い込まれながらも、デスノートを手放して自らの記憶を消してやり過ごすという大胆な発想と行動で乗り切り、最終的には死神までを利用してLを殺します。

Lの後継であるニアとメロに対しても、ジェバンニの超人的な集中力、模写技術によりデスノートの複製がなければ、完全に勝利していました。

ここまで新世界の神に迫った、夜神月ですが、デスノートの力に頼り切りだったわけではなく、彼に備わった天性の才能が新世界の神に近づけました。

以下では、夜神月のスゴさを改めて紹介していきます。

頭脳明晰・スポーツ万能

夜神月は全国模試1位で東京大学(作中名では東応大)に主席合格、しかも全科目満点という超人技をやってのけます。(Lも同様・・・笑)

加えて、在学中に司法試験にも合格し、大学卒業後には警察庁に入省するなど、超エリート街道をひた走ります。

また、夜神月は頭脳明晰なだけではなく、運動神経も抜群に良いのです。中学時代はテニスで日本一になったこともあります。東大時代には、Lとハイレベルなテニス対決を演じて周囲のど肝を抜きました。

天が二物も三物も与えまくったキャラクターが夜神月なのです・・・

知的なイケメン

全盛期の山下智久が作画のモデルになっており、夜神月は超イケメンです。

高校時代から常に彼女に困ることはなく、大学に行ってからもアイドルの弥海砂 (あまねみさ)、社会人になってからはアナウンサーの高田清美 (たかだきよみ)と、そのルックスと巧みな話術を武器に、次から次へと信者となる女を味方につけていきます。

モテまくりなので、死神であるリュークに対して、「リューク、お前はモテないのか?」と余裕の捨て台詞を吐いちゃうほどです。凄まじい自信です・・・

その甘いマスクの裏に隠された、夜神月のヤバい人間性については下記で詳しくまとめていますので併せてご覧ください。夜神月のことがもっとよくわかります・・・

【デスノート】夜神月の名言を心理学的に考察!クズすぎる本性を暴く!デスノートの主人公夜神月の本性を、作中の名言を挙げつつ心理学的に解説をしていきます!本記事を読めば、夜神月の名言から、その完璧なまでのサイコキラー気質まで、心理学的知見も踏まえて、余すことなく理解することができます。夜神月は悪3大気質ダークトライアドという反社会的な人格特性を持ち合わせていた!?...

圧倒的な話術・社交性

この話術と社交性が夜神月、最大の武器になります。

デスノートの作中で最初にその人心掌握術を見せつけたのは、婚約者のレイ・ペンバーをキラに殺され、キラ逮捕を誓う元FBI捜査官の南空ナオミと対峙した際です。

キラの核心に迫る情報を持った、南空ナオミを殺すために、自己開示をしながら相手の懐に入り、プライドの高い女性の自尊心を上手く擽りながら、平然と嘘八百を並べます。※ナオミは警戒して偽名を使っていたので、何としてでも本名を聞き出す必要がありました。

最終的には、捜査本部への参加をだしにしつつ、見事に本名を聞き出して殺すことに成功します。

このシーンにおける、相手の出方を見ながら巧みに懐に入り込もうとする夜神月の話術は、凄まじいものがありました・・・

時には、前線に立って戦線を操るキラ・夜神月には、この話術や社交性が大きな武器となりました。もし、夜神月がコミュ障だったら、南空ナオミから本名を聞き出せず、早々に捕まっていたことでしょう・・・

夜神月にみる心理学的に人を操る方法

夜神月が作中でみせた人を操るテクニックを、コロンビア大学心理学博士のハイディ・グラント氏の著書「人に頼む技術」を参考に解説をしていきます!

科学が効果を証明したテクニックなので、意中の相手を口説きたい方や、営業職など対人折衝の多い仕事に従事する方は必見です!

仲間意識を有効活用する

ハイディ・グラント氏によると、人間の脳は、生まれつき他者と共存するのに都合が良いようにつくられており、集団の一員であることは、私達のアイデンティティにとって重要な要素であるとしています。

こういった集団への帰属を本能的に志向する人間にとって、「一緒に」という言葉を使うだけで、強い動機付けが得られることが、スタンフォード大学のプリヤンカー・カーとグレッグ・ワルトンによる研究で示されているそうです。

作中で、当時人気アナウンサーであり大学時代の元恋人の高田清美を自らの陣営に引き入れるために『力を合わせて創ろう 大学の頃君が言っていた様な優しい人間だけの世界を』という言葉を投げかけています。この「力を合わせて」というワードは、共創・共同を表しており、仲間意識をくすぐるようなワードと言えます。

ちなみにアニメ版だと『君は僕と”共に”新世界の女神になるんだ』と少し短めになっていますが、“共に”というのは正に、”一緒”にと同義です。

管理人
管理人
さり気なく、大学時代の話を持ち出して「あなたのことはしっかりと覚えてますよ」というアピールが憎いね・・・

加えて、「共通の目標に目を向ける」「共通の敵を探す」という点も重要としています。

共通の目標は、脳はその人が自分と同じ目標を持っているかどうか、その成功がその人にかかっているかどうかに、とても敏感だり、共通の目標に意識を向けさせることで、相手から助けを得やすくすることができます。

夜神月でいう「共通の目標」は、まさに新世界の創造でしょう。高田清美に対しても、共に創ろうという甘い言葉で誘いにかけます。

また、南空ナオミを説得する際は、キラ捜査本部という看板を利用して、共にキラを捕まえようという共通の目的をちらつかせて相手の心を揺さぶりました。

共通の敵」は、心優しい人の生活を脅かす犯罪者達です。心優しい人だけの世界を志向しする高田清美にとっては、犯罪者たちは、まさに共通の敵になります。

仲間意識を活用するには

・「一緒に」などの、仲間意識づけを強めるワードを使う
・共通の目標に目を向ける
・共通の(外集団の)敵を探す

自尊心を刺激する

人は基本的に自己評価が高いです。その自尊心を守るために「セルフ・ハンディキャッピング」と呼ばれる、ある対象に真剣に取り組むのを意図的に放棄して、失敗したときの言い訳づくりに励んでしまうほどです。

自尊心が高い人ほど成功を自分の有能さに、失敗を状況のせいにする傾向があるなど、より自分自身のプライドを守ろうとします。

その自尊心を刺激することで、人の心を大きく揺さぶることができます。

ハディ・グラント博士は、自尊心を刺激する際は「相手をよく理解し、そのアイデンティティを肯定的なものにするようなポイントを強調することが大切」としています。

南空ナオミを説得する際も、彼女の推理洞察の鋭さや警戒心などを随所に褒めます。

高田清美を自陣に引き込もうとする際も、「今世界が注目する女性」などという言葉を使ったり、高田がミサミサに嫉妬心を見せた際は、「彼女は僕のパートナーとしては知性が足りない」などと遠回しに、東大出で頭の良い高田を持ち上げます。

加えてハディ・グラント博士は、「誰でもできることは、自尊心を高めにくい」とし、「自分にしかできない形で誰かを助けることで、私たちの自尊心は高まる」としています。

南空ナオミを捜査本部の一員にすると嘘を行って本名を聞き出す際は、以下のような口説き文句を放ちます。

もちろん。誰でもいいわけではない。あなたのような人が必要なんです。あなたは一般情報提供者にとどまるような人ではない。元FBI捜査官というキャリアがあり、その資質は現役の捜査官以上だ!かつてはLの信頼も得ていた!
引用:『DEATH NOTE』2巻 ©大場つぐみ・小畑健/集英社

管理人
管理人
アイデンティティであるFBI捜査官としての知性や推理力を挙げつつ、誰にでもできることではないというレアリティを強調する。お手本のような説得です。さすが・・・
自尊心を刺激するには

・相手をよく理解し、そのアイデンティティを肯定する
・誰でもできることではなく、その人にしかできない点を強調する

有効性を感じさせる

有効性を感じさせるというのは、相手がその行動を取ることに意義を感じれるかどうかということです。

ペンシルベニア大学ウォートン校のアダム・グラントらの研究によると「有効性を実感していると、長期的に人を助けようとする可能性が高まる」としています。

ある研究では、助けた相手から礼状を受け取った被験者は、その相手のみならず、その他の人たちに対しても、さらなる助けを提供したいと考えるようになったそうです。

相手に助ける意欲を持たせて、助けることによるメリットを享受させて、そのサポート継続させるには、有効性を感じてもらう必要があるのです。

有効性を感じさせるためにハディ・グラント博士は、「求めている助けがどんなもので、それがどんな結果をもたらすかを、事前に計画的に伝える」必要があるとしています。

キラ陣営に引き込む際の有効性は「悪い人間がいない、心優しい人が幸せになる世界」という明確なビジョンです。

このビジョンに共感をし、夜神月の「新世界」の実現に有効性を感じたからこそ、魅上や高田清美を始めとした熱狂的な信者を多く集めることができたのです。

有効性を感じさせるには

・求めている助けがどんなものかを伝える
・その結果として得られるもの実現されるものを事前に伝える

ハロー効果の活用

最後に、ハロー効果です。ハロー効果とは、人の特徴的な一面に引っ張られて、その人の評価全体が引き上げられるという心理効果です。

TOEICの点数が高い、有名大学出身の人がなぜか優秀に見えてしまうという経験は誰しもがあるでしょう。

夜神月は、イケメンです。もし、夜神月が出目川のようなルックスだったらどうでしょう?

ミサミサはきっとあそこまで協力をしてくれなかったでしょう。南空ナオミも、こんなやつが本当に捜査本部の一員か?と疑い、本名を明かしてくれなかったでしょう・・・

あの説得力は、あの知的イケメンなルックスから繰り出されることで、その効果がさらに跳ね上がるのです。

おわりに

どうでしたでしょうか?

Lがブレーン担当、夜神月が交渉・マネジメントを担当していたら最強のコンビになれてからもしれません。

四葉グループ編で、短い期間ながらコンビでの捜査が見れたのは、個人的にすごく好きだったので、月がキラに戻ったのは正直残念でした笑

皆様も月を参考に、人を操って新世界の神を目指しましょう!笑

【参考】
・ハイディ・グラント (著), 児島修 (翻訳)『人に頼む技術 コロンビア大学の嫌な顔されずに人を動かす科学』(徳間書店 2019)

管理人
のびぃ
早稲田大学卒。大学時代、新世紀エヴァンゲリオン・攻殻機動隊・風の谷のナウシカを身体論的に論じた論文とか書いたり、アニメをテーマにした授業を喜んで履修してました。 ハード過ぎる職場でメンタル病んだのをキッカケに心理学にのめり込む。元来のアニメ好きが高じて、アニメを通して人生に役立つ心理学を学ぶアニメンタリズム運営しています!アニメキャラ考察を楽しみつつ、心理学の智識も学べる一石二鳥系のメディア。
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