遊郭編にて登場する上弦の堕姫・妓夫太郎の鬼の兄妹。
今回は、そんな堕姫・妓夫太郎の人間時代の壮絶な過去や、鬼になった理由を解説していきます!
堕姫・妓夫太郎の過去とは?
遊郭の最下層という劣悪環境で生まれた
堕姫と妓夫太郎は、羅生門河岸(らしょうもんがんし)という遊郭の最下層に生まれました。
幼いころの妓夫太郎は、虫やネズミを食べて飢えを凌いでいたほどです・・・
堕姫の人間時代の名前は「梅」といい、その名前の由来は死んだ母親の病名が由来となっているそうです。
性病である梅毒から来ていると考えられますが、病名が名前の由来という時点で、親の神経を疑いますね・・・
もともと最下層の貧困層が集まる羅生門河岸では、飯代のかかる子供は存在自体が親にとっては迷惑であり、妓夫太郎は子供の頃に何度も実の両親に殺されかけていたそうです。
堕姫は、生まれた時から変わった瞳や髪の色をしていたために、気味悪がった母親が殺そうとしたところを、妓夫太郎が救っていたそうです。
さらに、母親が堕姫に暴力を奮って、剃刀で髪の毛を切った際は、妓夫太郎が怒り狂って大暴れし、それ以来は母親は妓夫太郎と距離を置くようになったそうです。
醜い容姿に強い劣等感を感じていた妓夫太郎
妓夫太郎は、生まれた時からその醜い容貌や声のせいで、周囲の人間から虐げられて生きていました。
見た目の美しさが絶対的な価値である遊郭において、醜い妓夫太郎は、軽蔑の対象であり、嘲られ汚いと石を投げられていました。
妓夫太郎が「この世の罵詈雑言は自分のために作られたもの」と感じるほどに、虐められていたようです。
こういった背景もあり、イケメンで美人の嫁が3人もいる宇髄天元に対して嫉妬心を剥き出しにしていたのです。
生まれた時から、親には殺そうになり、周囲の人間からは汚いと罵倒されて生きていれば、性格が歪んでもおかしくないですね・・・
そんな妓夫太郎は地獄のような日々を過ごしていましたが、自分自身が喧嘩が強いということみ気付き、それを活かして取り立ての仕事をはじめました。
そもそも妓夫太郎という名前の由来は、取り立ても担う「妓夫」という実際にあった遊女屋の男子使用人の名前から来ています。
喧嘩が強く、不気味な容姿をしていた妓夫太郎を誰もが恐れ、取り立ての仕事は妓夫太郎にとっては天職といってもいいほどでした。
取り立てを始めたことで、コンプレックスだった醜い容姿にも誇りを持てるようになり、さらに美しい堕姫という妹を持ち、妓夫太郎の人生は大きく好転し始めていました。
しかし、そんなささやかな幸せも長くは続きませんでした。
上弦の陸・童磨との出会いによって鬼に
ある日、堕姫が、客の侍の目玉をついて失明させ、その報復で、堕姫は生きたままに焼かれて丸焦げにされてしまいました。
堕姫が、客の目玉を突いたのは、妓夫太郎を侮辱されたためでした。
家に戻り、丸焦げとなって虫の息になった堕姫を抱き抱えて妓夫太郎は、泣き叫びました。
すると妓夫太郎は、背後から、その侍に斬り付けられました。妓夫太郎の取り立ての横暴さに迷惑をしていた女将と思わしき女性が侍に金で殺害を依頼していたようでした。
背後から、斬り付けられた妓夫太郎でしたが、一瞬の隙を付いて、その女将を鎌で切り殺し、ついで侍も鎌で一刀両断してしまいました。
遊び道具のなかった子供のころの妓夫太郎にとって、客が置いて行った鎌が遊び道具替りとなり、成長してからは鎌が武器となり、鬼になってからも鎌が武器となっていました。
侍を殺した妓夫太郎は、茫然と雪の降る夜道を歩いていました。そこで、人間を食べていた当時の上弦の陸・童磨と遭遇しました。
虫の息となった堕姫を見た童磨は、「俺は優しいから放って置けないぜ」と、二人に「血をやる」と提案。
そうして、堕姫と妓夫太郎は、鬼となってなったのです。
妓夫太郎に甘やかされて育った堕姫
妓夫太郎は、美しい堕姫を溺愛していたようです。
上述のように、母親に殺されかけたところを妓夫太郎が救ったり、母親が堕姫に暴力をふるえば、妓夫太郎は怒り狂って暴れるなどしていました。
成長してからの堕姫は、その美しさから、道を歩けば声をかけられ、笑って見せるだけで物を貰えるほどでした。
そうして、自分の美しさをうまく利用して立ち回ることで、寒さや空腹に苦しくむことは無くなっていったようです。
そんな堕姫を、妓夫太郎は誇らしく思い、まさに自慢の妹として溺愛していました。
妓夫太郎がほとんど親代わりとして育った堕姫は、妓夫太郎の気性の荒さを受け継いでしまっていたようでした。
いかに、妓夫太郎を侮辱されたためとはいえ、客の目玉を突いて失明させてしまうその豪胆さが現れています。
妓夫太郎は、首を落された後のモノローグで「梅は染まりやすい性格」「俺が育てたためにお前はこうなった」と語り、堕姫の気性の荒さは、「奪われる前に奪え、取り立てろ」と教えた自分のせいだと悔いているようでした。
堕姫の傲慢で泣き虫な性格は、妓夫太郎に甘やかされて育ち、また、妓夫太郎の気性の荒さを受け継いだ影響が大きいようです。
堕姫・妓夫太郎の最後
炭治郎たちによって首を落とされた堕姫と妓夫太郎は、首だけになった状態で、「何の取り柄もないやつ」「おまえなんて生まれてこなければよかった」などと、口汚く喧嘩をしてしまいました。
しかし、最後は、堕姫を置いて一人で地獄に向かおうとする妓夫太郎に、堕姫がおぶさって泣いて謝り、二人仲良く地獄に向かっていきました。
互いにひねくれた性格をしている堕姫と妓夫太郎ですが、なんだかんだ仲の良い兄妹の姿が微笑ましい最後でした。