人生を変える心理学

努力で人生を変える!「マインドセット」はナルトの「ガイ」に学べ

みなさん、「マインドセット」という言葉をご存知でしょうか?

スタンフォード大学心理学教授の「キャロル・S・ドゥエック」氏の著書、『マインドセット「やればできる! 」の研究 (草思社 2016年)』に登場する概念です。

この「マインドセット」の持ち方次第で、人生を変える最強のメンタルを作る効果があると、20年にわたる調査で科学的に実証されているそうです。

今回は、NARUTOの中でも一番の努力型忍者の「マイト・ガイ」を参考に、この人生を変えるマインドセットについて解説していきます。

努力の天才NARUTOの「マイト・ガイ」とは?

体術の最強キャラ

引用:©岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ

マイト・ガイは人気漫画「NARUTO」の登場人物です。

NARUTOの先生「はたけカカシ」と同期で、はたけカカシをライバル視しており、ことあるごとに張り合おうとします。

忍術を一切つかわずに、体術のみで敵を圧倒するその戦闘スタイルは圧巻です。※才能がなく、忍術が使えない。

実力は作中でも随一で、最強クラスのキャラ「うちはマダラ」を、単独で瀕死の状況にまで追い込むほどです。※この時の戦い中、命と引き換えに力を得る「八門遁甲の陣」を使ったことで、一命を取り止めたものの、後遺症で忍者としては実質引退となりました。

忍術が使えない落ちこぼれが、努力で才能を開花

マイト・ガイは登場時は、すでに上忍の実力者として登場していましたが、元々は忍者なのに忍術が使えない落ちこぼれキャラでした。

しかし、忍術が使えないが故に、体術を徹底的に磨き上げて、体術特化型の最強忍者にまで成長しました。

自分ルールで徹底的に自分を追い込む

自分ルールを語るガイ先生引用:©岸本斉史 スコット/集英社

元々が凡人以下だったガイは、ライバル視する天才はたけカカシに追いつき追い越すために、徹底的に自分に厳しくし、自分を追い込みます。

その一つが、ガイが設定する「自分ルール」です。物事に取り組む際に、ただ取り組むのではなく、自分独自のルールを設定して、トレーニング負荷を高めて自分自身を追い込みます。

例えば、以下のような、めちゃくちゃなルールを自分に課します。

  • 校庭500週ができなかったら、逆立ちで500週
  • 逆立ちができなかったら、腕立て500回
  • 腕立てができなかったら、指立て500回

かなり無茶な自分ルールではありますが、ガイは決して自分に課したルールを破ろうとはしません。自分に対する甘えは一切排除して徹底的に追い込みます。

ガイのセルフ・コントロール能力の高さが、この「自分ルール」の実践から窺い知ることができます。



人生を変える二つのマインドセット

キャロル・S・ドゥエック氏が提唱するマインドセットを解説し、マイト・ガイを参考にしつつ人生を変えうるマインドセットの身に着け方を解説していきます。

「しなやかマインドセット」と「硬直マインドセット」

キャロル・S・ドゥエック氏は、著書『マインドセット「やればできる! 」の研究 (草思社 2016年)』の中で、人間には2つのマインドセットがあり、どちらの説を信じるかにゆよって、その後の人生に大きな開きが出き、自分が望む人間になれるかどうか、自分にとって意義のある私語を成し遂げられるかが、それで決まると述べています。

その二つの説を、「しなやかマインドセット」と「硬直マインドセット」としています。

しなやかマインドセットとは、端的に言えば、人の能力は努力や経験を重ねることで伸ばすことができると信じる心構えのことを言います。

一方で、硬直マインドセットは、人の能力は生まれた時から変えることができない固定されたものだと信じる心構えです。

つまり、現状がどうであれ努力次第で自分の能力を向上させていけると考えるのが「しなやかマインドセット」で、自分の能力は努力しても変わらない、努力は無駄と考えるのが「硬直マインドセット」です。

硬直マインドセットの人の特徴

硬直マインドセットを持つ人の思考には、どのような特徴があるのでしょうか?

成長よりも成功を重視する

硬直マインドセットの人は、自分は特別である。人よりも優れていることの証明を第一に考えます。

自分自身を「かっこいいと感じる瞬間」は、自分を特別な人間のように感じるとき、人と違っていて、人よりも優れていると感じるときです。

プライドばかり高く失敗を認められない

硬直マインドセットの人は、他人との比較の中での優越性を最重要視し、それを自らのアイデンティティとします

それゆえに、自分自身の失敗を素直に認められずに、「〜のせい」などとして、自分の失敗に正面から向き合うことができません。

ひとたび、落第点を取る、試合に負ける、会社をクビになる。そうしたことすべて、自分自身が頭が悪くて才能がないことの証拠として捉えてしまいます。

順調な時は問題ないが、一度つまづいてしまうと、悲観し、自暴自棄になってしまいます。

失敗から学び、教訓を得ることができません。

努力を嫌う

努力して能力を変えることを信じていないのだから、努力することに価値を感じていません。

硬直マインドセットの人にとって、努力は挫折と同様に、頭が悪くて能力にかける証拠であると捉えて、努力を遠ざけてしまいます。

しなやかマインドセットの人の特徴

一方で、しなやかマインドセットを持つ人の特徴はどのようなものでしょうか?

成長することを第一とする

しなやかマインドセットの人は、自分自身の資質や能力は努力によって変えられると信じています。

それゆえに、結果にフォーカスし過ぎることなく、その過程の中で、自分自身がどれだけ成長できたかを重視します。

他人からの評価ではなく、自分を向上させることに関心を向ける

硬直マインドセットの人が、他人との比較の中での優越性を重視するのに対して、しなやかマインドセットの人は、他者との比較による優越ではなく、あくまで自分自身を向上させることに最大の関心を寄せます。

そのため、他人と比べてどうとか、他人からどう評価されるかよりも、自分自身が向上しているか成長しているかを気にします。

進んで困難に挑戦をする

しなやかマインドセットの人は、自ら進んで困難に挑戦するだけではなく、それを糧にしてどんどん成長していきます。

硬直マインドセットの人が失敗を恐れて挑戦できないのに対して、失敗を恐れずに挑戦をし、そこでの学びを糧にしていくのがしなやかマインドセットです。



ガイに学ぶしなやかマインドセットの身につけ方

しなやかマインドセットとは、心持ち・心構えです。世界や物事に対する捉え方を「しなやかマインドセット」に変えていく必要があります

マイト・ガイの作中での言動を参考に、「しなやかマインドセット」の身に着け方を学んでいきましょう。

自分を徹底的に信じる

作中のガイのセリフの中で「自分を信じない奴になんかに、努力する価値はない」という名言があります。

教え子で自分と同じく体術しか使えない「ロック・リー」が、心が折れかけて「いくら努力しても僕は強くなれない」と言った時に、放った言葉です。

この名言には、まさに「しなやかマインドセット」の考え方に通じる部分があります。自分自身の資質や能力、才能は努力で伸ばせる。そう信じることが、が「しなやかマインドセット」の根底にあるものです。

ロック・リーは元々は努力の天才であるのにも関わらず、大きな壁を前にして、自信を失い、しなやかマインドセットを失いかけていたのです。

その信念を呼び起こす、ガイの名言はどんな人にも「しなやかマインドセット」を呼び起こしてくれるでしょう。

物事をポジティブに捉える

ガイは非常にポジティブであり、どんな窮地に陥っても決して諦めたりはしません。

そのポジティブさは、ガイの父親の「マイト・ダイ」譲りです、幼い頃は忍術が使えないという弱点に落ち込むことも多かったガイにたいして、父親は、「短所も長所になる」と言い聞かせます。

短所ばかりに目を向けるのではなく、見方を変えることで、長所を見出すという心理学でいうリフレーミングのテクニックをガイに伝授しています。

悲観的に考えていては、硬直マインドセットに陥りがちです。自分自身の能力は伸ばせると信じきる精神力をもつためにも、物事をポジティブに捉え直す、リフレーミングの力は必須と言えます。

そんな父親譲りのポジティブ性を身につけたガイは、カカシから忍術を使えないことを指摘されても、それを応援と捉えてしまいます。



おわりに

マイト・ガイは「しなやかマインドセット」の権化のようなキャラクター性をしています。

努力ができる人間のロールモデルとしてマイト・ガイは非常に参考になるキャラクターです。

受験勉強やダイエットなど、自らを律して努力を継続しなければならない時、怠けそうになったら、「マイト・ガイならどうする?」「マイト・ガイなら何て声を掛けてくる?」そう考えることで、誘惑に打ち克つ可能性を高めることができるでしょう!

管理人
のびぃ
大学時代、新世紀エヴァンゲリオン・攻殻機動隊・風の谷のナウシカを身体論的に論じた論文とか書いたり、アニメをテーマにした授業を喜んで履修してました。元来のアニメ好きが高じて、アニメを通して人生に役立つ心理学を学ぶアニメンタリズム運営しています!アニメキャラ考察を楽しみつつ、心理学の智識も学べる一石二鳥系のメディア。
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