僕のヒーローアカデミア

死柄木弔のかっこいい敵役としての魅力を心理学で解説!成長する敵役の魅力とは?

僕のヒーローアカデミアに登場する、ヴィラン連合のリーダー・死柄木弔。

本記事では、死柄木弔のかっこいい敵役としての魅力を心理学の知見を交えつつ解説していきます。

最後に、死柄木弔のかっこいいシーンもまとめて紹介するので、死柄木弔の魅力がまるっとわかるので、ぜひ最後までご覧ください!

死柄木弔とは?

死柄木弔のかっこいい顔引用:©堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会

死柄木弔の基本データ

敵名 死柄木弔
本名 志村転弧
個性 崩壊
誕生日 4月4日
身長 175cm
担当声優 内山昂輝

ヴィラン連合のリーダー

ヴィラン連合引用:©堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会

死柄木弔は、ヴィラン連合のリーダー

裏社会の帝王として君臨したオール・フォー・ワンの後継と目され、オール・フォー・ワンを先生と呼び、オール・フォー・ワンも死柄木を「次の自分になりうる歪みを持って生まれた男」として、成長をサポートするなど師弟関係にある。

これは、デクとオールマイトの関係にも似ていますが、死柄木弔もオール・フォー・ワンも互いに目的を持ち、反目し合うシーンもあり、その関係は一筋縄ではいかない関係です。

ヒーローに対しては強い憎しみを抱いており、平和の象徴であるオールマイトを「社会のゴミ」と蔑んでいました。

性格は、クールでシニカルな皮肉屋で基本的に口が悪い。イライラすると首をかきむしる仕草が特徴的

また、外見の大きな特徴として、顔に常に手形のマスクのようなもをつけています。死柄木弔はこの手を「お父さん」と呼ぶなど異常な執着を見せており、人に気安く触られると触られれば激昂したり、大きな動揺を見せました。

死柄木弔にとって、手は、不安定なメンタルを支える、安定剤のような役割を果たしていたのです。

作中での登場当初は、非常に自分勝手で自己中な子供のような性格をしていましたが、次第に、組織運営のあり方や振る舞いを覚え、ヴィラン連合のリーダーとして成長をしていく様が描かれています。

歴代のジャンプ作品においても珍しく、敵サイドが、ヒーローサイドと同様に成長していくという点が、死柄木弔の悪役としての大きな特徴であり魅力となっています。

死柄木弔の個性:崩壊

イレイザーヘッドの腕を破壊する死柄木弔引用:©堀越耕平/集英社

死柄木弔の個性は、五本の指で触れた人や物を塵のごとく崩壊させる個性です。

自分でオンオフの切り替えができないために、五本の指でものを触れると強制的に人や物を崩壊させてしまう。そのため、普段は5本の指で触れないように生活をしている。

個性は基本的に親の遺伝によるものですが、崩壊に関しては、突然変異で発生した個性でした。

異能解放軍との戦闘の中で、個性は成長し、5本指で触れなくても崩壊を発動させることができようになりました。

さらに崩壊しているものに触れたものも崩壊させるという、間接的にも崩壊を発動できるように、攻撃範囲が圧倒的に広がりました。

個性を発動させる死柄木弔引用:©堀越耕平/集英社

一方で、強力な個性故に反動も大きく、死柄木弔自身の腕にもダメージが残るようになっていました。

死柄木弔の悲しき過去

死柄木弔の幼少期引用:©堀越耕平/集英社

死柄木弔は、しばらくの間自分自身の過去の記憶を無意識のうちに封印していましたが、異能解放軍のリ・デストロとの戦闘の中で、次第に記憶を取り戻していきました。

死柄木弔こと、志村転弧は幼い頃は、ヒーローに憧れる一人の少年でした。しかし、志村転弧は「個性」が発動していませんでした。

また、志村転弧の父親・志村弧太朗は実業家で、ヒーローになることに強く反対しており、志村転弧がヒーローの話をすると厳しく叱っていました。

志村弧太朗は、オールマイトの師匠、ワン・フォー・オールの7代目継承者・志村菜奈の息子でした。

ワン・フォー・オールの7代目継承者・志村菜奈引用:©堀越耕平/集英社

志村菜奈は、自分の息子を危険が及ばぬよう、志村弧太朗が幼い時に、二度と合わないと決めて養子に出しています。

志村弧太朗は、母親に捨てられたと感じ、強い憎しみを覚えて、母・志村菜奈を「子供を捨てた鬼畜」と呼ぶほどでした。

ヒーローゆえに自分を捨てた母親への憎しみがそのまま、ヒーローという職業に向けられて、酷くヒーローを嫌悪するようになっていました。

ある日、死柄木弔は、姉と一緒に、父親の書斎に忍び込み、志村菜奈の写真を見つけて、自分の祖母がヒーローであることを知って喜びました。

しかし、喜んだのも束の間、父親に書斎で写真を見ていたことがバレて、父親に胸ぐらを掴まれて、平手打ちを食いました。

死柄木弔は、その時、自己保身のために自分のせいにした姉、父親に暴力をふるわれるときに助けてくれなかった、他の家族にも強い憎しみを抱きました。

感情の昂りに呼応するように、崩壊の個性が目覚めて、憎しみを抱いたまま抱いていた、愛犬が崩れてバラバラ死体となりました。自分の個性に無自覚な志村転弧は、激しく動揺しました。

志村転弧のもとに謝りにきた姉は、無残にも崩壊した犬の亡骸を見て恐怖し、死柄木弔の前から逃げ出そうとしましたが、逃げる姉に追いすがろうとして触れたことで、姉も崩壊して死亡しました。

騒ぎを聞きつけた、母、祖父、祖母が、やってきましたが、志村転弧の個性はさらに威力を増し、触れた大地をも崩壊させ、その崩壊した大地から伝播して、母、祖父、祖母も殺してしまいました。

引用:©堀越耕平/集英社

その後、やってきた父親に、「ごめんなさい」と必死に謝り、すがる志村転弧でしたが、動揺した父親は、鉄パイプで志村転弧を殴ってしまいました。

殴打された志村転弧は、何かが吹っ切れたかのように、明確な殺意をもって父親に触れて、父親を殺しました。

意図しない個性の暴走によって、家族全員を殺害してしまった、志村転弧はその後オール・フォー・ワンに拾われて、ヴィラン名・死柄木弔の名を与えられ、悪の帝王の後継者として道を歩み始めたのです。

“弔”は、「死を悲しみ別れを告げる弔いを招く存在」という意味が込められており、”死柄木”は、「オール・フォー・ワンの苗字」から来ています。

死柄木弔のかっこいい悪役としての魅力を解説

以下からは、心理学の知見を交えつつ、死柄木弔のかっこいい悪役としての魅力を解説していきます。

死柄木弔の成長する姿がかっこいい

引用:©堀越耕平/集英社

死柄木弔の悪役としての最大の魅力は、主人公同様に、その能力だけではなく、人間性も成長していく点にあります。

初めて登場した、USJ襲撃事件の際には、思い通りにならないことに駄々を捏ねたり、世話係的な黒霧に宥められるなど、幼稚な側面が目立っていました・

プロファイリングの結果でも、「幼児的万能感の抜けきらない子供大人」と表されているほどでした。

しかし、次第に、ヴィラン連合の仲間を想い、目先の感情だけではなく、そのさきの利益を考えて行動ができたり、人間性も成長していきました。

さらに、リデストロとの戦闘の中で、能力が覚醒。大地の大崩壊による、ビッグバンのようなかっこいい広範囲攻撃が可能になり、能力としても悪の親玉にふさわしいレベルに成長しました。

結果として、それまで、人気投票で、トップ10入もしなかった死柄木弔でしたが、第5回の人気投票では、第6位にランクインしました。

人は、変化の大きさでその対象にたいする印象や、評価が大きく変わる傾向にあり、死柄木弔の主人公のような成長は、より死柄木弔に対してポジティブな印象を持たせる効果を発揮したと考えられます。

死柄木弔をいきなり完全体で登場させるよりも、その成長の過程や挫折も併せて詳細に描くいたことで、より読者からの共感や関心、興味を引くことができたのです。

仲間想いの死柄木弔がかっこいい

仲間想いの死柄木弔がかっこいい引用:©堀越耕平/集英社

死柄木弔は、当初は、シニカルで自分本意という印象が強かったですが、成長するにつれて徐々に仲間を想うリーダーらしい姿を見せるようになっていきました。

例えば、死柄木弔が、仲間のマグ姉を殺した八斎会に出向するように、トゥワイスとトガヒミコに命令した際。

死柄木弔の命令に、納得がいかず、「何のために辛くて嫌なことをしなきゃいけない?」と楯突くような態度を見せるトガヒミコに対して、死柄木弔は手のマスクを外して『俺とお前たちのためだ』と真っ直ぐ見つめて、語りかけました。

かつての死柄木弔であれば、『いいから黙って言うことを聞け』と高圧的に、無理やり押し付けてもおかしくはありませんでしたが、しっかりと目的があることを冷静に説明する点に、死柄木弔の成長を感じさせました。

また、リデストロに勝利した際、ヴィラン連合の仲間が寿司を食べたがっていたことを思い出して、金持ちのリデストロを生かし、リデストロのお金でヴィラン連合の仲間達に寿司を御馳走していました。

仲間の心情を組んで冷静に目的を説明したり、食べ物を御馳走したりするのは、リーダーであれば、そこまで珍しいことではありません。

しかし、もともとが自分本意で子供っぽかった、死柄木弔が行うからこそ、そのリーダーらしい振る舞いがより印象に残るのです。

こういった、元々のネガティブな印象のせいで、ちょっとしたポジティブな行動がより印象的に映る心理効果を、ゲインロス効果といいます。いわゆるギャップ効果というやつです。

死柄木弔も最初が、幼稚な印象が強かったからこそ、ちょっとしたかっこいいリーダーらしい振る舞いが、より印象に残るようになっているのです。

攻略困難な個性が読者の想像力を掻き立てる

引用:©堀越耕平/集英社

死柄木弔の個性は大きく成長して、間接的に触れたものでさえも、崩壊させるまでに至りました。

さらに、改造手術によって、オールマイト級のパワーとスピードを得るに至り、非常に攻略困難な力を手に入れました。

死柄木弔の個性は、間接的に触れるだけでもアウトなので、同じ大地に立っていればそれだけでアウトです。

そのため、イレイザーヘッドの個性で、個性を打ち消した状態でなければまともな戦闘ができませんでした

イレイザーヘッドを襲う死柄木引用:©堀越耕平/集英社

それでも、オールマイト級のパワーと、ハイエンド脳無級のタフネスを持つため非常に厄介なのにはかわりがありません。

イレイザーヘッドが倒れたあとは、デクが黒鞭で宙に浮かせて、なんとか崩壊を防いでいました。

このように、チート級の能力を手にした死柄木弔をいかに攻略していくかは、今後のヒロアカの大きな関心事の一つです。

こういった、攻略困難な敵の能力をどうやって突破するのかという謎は、読者の考察や議論を巻き起こして、読者からの関心を引く重要なフックとなります。

どの作品においても、謎や疑問は読者を惹きつけておくための重要な要素です。それは、謎や全容がわからないものに惹かれるという本能が人にあるためです。

死柄木弔のチート級の能力は、妄想を膨らませ、読者を惹きつける重要な要素になり得るのです。

おわりに

死柄木弔は、主人公並に成長するという、今までにない新しいタイプのヴィランといえます。

有名どころで死柄木弔に近い存在をあげるなら、NARUTOで、途中から抜け忍となり、復讐のために闇堕ちたサスケに近いものがあります。

サスケも闇堕ちして、木の葉の敵になった後も、主人公のナルト同様に成長し、自ら組織した鷹のリーダーとして、仲間を想う一面を見せていました。

しかし、最初は仲間であったサスケと、最初からヴィランであった死柄木弔では、やはり本質的には異なります。

ジャンプの看板漫画の敵役としては、死柄木弔は今までにない魅力を備えたキャラなのです。

管理人
のびぃ
大学時代、新世紀エヴァンゲリオン・攻殻機動隊・風の谷のナウシカを身体論的に論じた論文とか書いたり、アニメをテーマにした授業を喜んで履修してました。元来のアニメ好きが高じて、アニメを通して人生に役立つ心理学を学ぶアニメンタリズム運営しています!アニメキャラ考察を楽しみつつ、心理学の智識も学べる一石二鳥系のメディア。
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