今回は、鬼滅の刃屈指の人気キャラクター、やるときはやる系のヒーロー我妻善逸の名言・名シーンを心理学的な知見を交えつつ解説していきたいと思います!
弱虫で泣き虫。無類の女好きでもある。普段は絵にかいたようなダメダメなキャラクターですが、一たび眠りにつくと神速の居合切りで鬼の首を切り落とす。そんなギャップが魅力の善逸。
普段は、面白ネタキャラの側面が全面に出ていますが、実はかなり暗い過去の持ち主でもあり、そのキャラクター性は一筋縄ではいかないものがあります。
そこで今回は、名言・名シーンを振り返りつつ、善逸の性格特性を徹底解剖し、心の闇と光に迫りたいと思います・・!







目次
我妻善逸の名言・名シーンを心理学を交えて解説!
死ぬわ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ ここで生き残っても結局死ぬわ俺
引用:(C)吾峠呼世晴/集英社
善逸が初登場した、最終選別での名言です。初登場時から、ネガティブ全開で、善逸らしさMAXの名言であります・・!
最終選別は7日間、鬼だらけの森でサバイバルするという過酷な内容。生き残りも、約20人中、炭治郎、栗花落カナヲ、伊之助、不死川玄弥、善逸の5人だけ。
そんな最終選別試験に生き残ったメンバーの中で、ひと際異彩を放っていたのが善逸です。一人だけ、うつむき加減で、ぶつぶつと上記の名言(迷言?)をつぶやいていました・・・笑
善逸は、根が非常にネガティブです。心理学でいえば『神経症的傾向』が強いタイプといえます。神経症的傾向が高いと、憤りや怒りを感じやすくなります。
善逸が炭治郎に不平不満を言ったり、キレたりする姿が作中で描かれていますが、まさに神経症的傾向が高い性格が表れていると言えます・・・
一方で、行動が慎重なために、危険を顧みずに突撃していく『外向性』の高いタイプよりも、長生きすることが分かっています。鬼滅の刃で言えば、煉獄さんは外向性が高いタイプといえます。



- 善逸は心理学的にいうと神経症的傾向が強い性格である。
- 神経症的傾向が高いと、不安や恐怖、怒りや憤りといった感情を感じやすくなる。
- 一方で、神経症的傾向の高いタイプは、行動が慎重なため長生きしやすいという特徴がある。
俺は、俺が一番自分のことが好きじゃない・・・変わりたい、ちゃんとした人間になりたい
引用:(C)吾峠呼世晴/集英社
こちらも善逸のネガティブさがよく表れている名言です。那田蜘蛛山編で蜘蛛の鬼と対峙して、怯えまくったときに発した迷言です。
蜘蛛の鬼の毒に犯されて、時間の問題で、気色の悪い蜘蛛に変えられてしまう善逸。そんな絶望的な状況にあって、善逸はひたすらネガティブに陥ります・・・
しかし、この後、善逸の師匠である桑島慈悟郎(くわじまじごろう)の言葉『泣いてもいい、逃げてもいい、諦めるな』『一つのことを極め抜け』という言葉を思い出して復活。霹靂一閃六連という超絶カッコいい必殺技で、蜘蛛の鬼を倒します。
善逸が自己肯定感が低く、不安や恐怖、怒りや憤りを感じやすい、心理学でいう『神経症的傾向が強い』タイプというのは先ほど述べた通りです。
善逸が、こういった自己肯定感の低い性格になってしまったのには、善逸の過去に大きな原因があります。
善逸は、捨て子であり両親の顔も名前もわからないという悲しい過去を持っています。
同じ捨て子である伊之助に対して『本当に捨て子ならおくるみに名前も書かねえよ 俺みたいにな』という発言や『親のいない俺は誰からも期待されない』という発言からも、自分が捨て子であることに強い負い目を感じていることが分かります。
引用:(C)吾峠呼世晴/集英社
基本的に、生まれてしばらくの期間、無力でしかない人間の子供に自己肯定感を養ってあげるのは、親からの愛です。
これは、多くの発達心理学の研究で明らかになっています。愛してくれる親のいない環境で育つことは、子供の心を非常に不安定なものにしてしますのです。
また、善逸自身が、雷の型が一つしか使えなかったり、そんな不甲斐ない自分を、兄弟子である獪岳(かいがく)にボロクソに言われてきたという点も、善逸の自己肯定感の低さにつながっているともいえます。
- 善逸がネガティブなのには、捨て子であった過去、雷の呼吸が壱の型しか使えないという負い目がある。
- 発達心理学の研究では、親の愛がない状態で育つと、子供心は不安定になり、自己肯定感も低くなりやすい。
いつ死ぬかわからないんだ俺は!!だから結婚してほしいというわけで!!頼むよォーッ
引用:(C)吾峠呼世晴/集英社
善逸が炭治郎と再会をしたときに、通りすがりの女の子に求婚するという衝撃シーンで飛び出した名言です。
善逸が女好きなのは有名ですが、七人もの女性に奴隷のようにこき使われて金だけ巻き上げられた挙げ句、手も握らせてもらえず捨てられたという悲しい過去を持っていても、それでも女好きを辞めないのですから、ある意味スゴイです。
鬼殺の隊士になった善逸は、常に任務で死ぬと思っています。一方で、『一生に一人でいいから誰かを守り抜いて幸せにする』という願いをもっています。だからこそ、人生に心残りを残したくないという思いもあって、結婚に焦ってると思われます。
- 善逸はどれだけ女性に騙されようとも、女性好きを辞められない筋金入りの女性好き。
- そのネガティブ思考ゆえ、鬼殺隊になった以上すぐに死ぬと思っており、そのため結婚を焦っている。
炭治郎・・俺・・守ったよ・・お前が・・これ・・命よりも大事なものだって・・言ってたから
引用:(C)吾峠呼世晴/集英社
ボロボロになりながらも、伊之助から竈門禰豆子が入った籠を守った、善逸の優しさがにじみ出た名言です。
善逸が人気の理由は、性根は良い奴という点です。その点が初めて表現されたのが、この名言です。
善逸は、人の気配だけではなく、感情や心理状態を聞き分ける鋭い聴覚を備えており、その聴覚で聞き取った炭治郎の音を、『泣きたくなるほど優しい音』と表現していました。だからこそ、鬼を連れた、炭治郎を信じて、禰豆子が入った籠を守ったのです。
また、善逸には、”自分の信じたい人を信じる“という信念があります。だからこそ、7人もの女性を信じて騙されるという経験をしてしまうのですが、そんな信じたいと思ったら信じ抜く、ある意味純粋な心をもつ善逸だからこそ、一心不乱に禰豆子が入った籠を守ったといえます。
- 善逸は性根は良い奴。
- 善逸は信じたい人を信じるという信念があり、一度信じる決めた人は一心不乱に信じる純粋さがある。
- 結局最後は良い奴がモテるという心理学の研究があり、良い奴はモテる。
禰豆子ちゃんは俺が守る
引用:(C)吾峠呼世晴/集英社
無限列車編で飛び出した、善逸のカッコいい名言です!
無限列車編で下限の壱の魘夢(えんむ)によって眠らされた善逸が、眠りながら禰豆子を守るというかなりカッコいい姿を見せてくれました。
これがあるからこそ、善逸好きは辞められませんね・・・忘れた頃にカッコいい姿を見せてくれる・・・笑
上述した通り、善逸には、信じたい人を信じるという信念があり、一度信じた人は真っ直ぐに信じるという純粋さがあります。(心に闇を抱えてはいますが・・・)
だからこそ善逸は、この人と決めたらきっと一途な人間になるんだと思います。
禰豆子に出会ってからは、他の女の子に「アハハのウフフ」になるときもありましたが・・・要所で思い出したり、好きと語るのは、ずっと禰豆子だけです。
耳を引っ張って怪我をさせた子に謝れ
引用:(C)吾峠呼世晴/集英社
遊郭「吉原」潜入捜査編で飛び出した、上記と同じく眠りながら発した名言です。無限列車編以降、眠りながらカッコいいことを言い出すという成長を見せてきます・・・笑
遊郭の女の子の耳を引っ張って怪我をさせた、上弦の陸の堕姫に対して、発した名言なわけですが、善逸の女性に対する優しさ現れています。
こういった女たらしでありながら、女性に対して優しいというのは、ワンピースのサンジを彷彿とさせます。サンジも女好きですが、レディを傷つける奴は許さないという点が、今回の善逸の名言と被りますよね・・!
- 女性に対して積極的かつ、優しい性格なので、現実にいたら善逸はモテるタイプ。
- 進化心理学の研究では、女性はその優しさを子育てに向けてくれると本能的に期待するためと理由づけている。
でもじいちゃんは、俺を見限ったりしなかった
引用:(C)吾峠呼世晴/集英社
那田蜘蛛山編において、蜘蛛の鬼の毒に侵されて絶体絶命の状態に陥った善逸の回想でのモノローグです。
善逸が自己肯定感が低くて、ネガティブというのは上述した通りです。親に捨てられて、7人もの女に騙されてお金を巻き上げられ、兄弟子にはボロカスに馬鹿にされる。
自暴自棄になって闇落ちしてもおかしくない善逸の境遇ですが、そんな善逸が己を見失わずにいられたのは、自分を決して見限らなかった師匠の存在があったからです。
善逸の師匠は、ヘタレで泣き虫な善逸が、いくら泣き言を言っても、何度修行を逃げ出そうとしても、決して見捨てることはなく、力ずくで連れ戻していました。また、雷の呼吸が壱の型しか使えない善逸を、見限ることはなく、むしろその一点を極め抜けと助言をしてくれたのです。
生まれた瞬間から親に捨てられた善逸の人生において、ここまで自分を信じて、自分を見捨てなかった人間は、師匠の桑島慈悟郎 (くわじまじごろう)だけだったのです。
だからこそ、善逸は、那田蜘蛛山で死にそうになった時も、師匠の言葉を思い出して自らも奮い立たせて、鬼の蜘蛛を倒し、毒に侵された中でも、生き長らえることができたのです。
- 生まれたすぐに親に捨てられた善逸の人生にあって、どれだけ善逸がヘタレで弱虫でも。決して見捨てることはなかったのが師匠。
- 師匠の存在、師匠のかけてくれた言葉が善逸の心を常に支えている。
これは絶対に俺がやらなきゃダメなんだ
柱稽古で、岩柱の悲鳴嶼さんの元で稽古に励んいる最中、ある手紙を受け取った後に発した、善逸の固い決意が表れた名言です。
この手紙の内容は、兄弟子の獪岳(かいがく)が鬼になったことで、その責任をとって、師匠の桑島慈悟郎 (くわじまじごろう)が自害したという報せだったのです。
善逸にとって、師匠の桑島慈悟郎がいかに大切な存在であるかは、上述した通りです。そんな師匠を自刃に追い込んだ、兄弟子を自らの手で倒すことを決意したうえでの発言です。
この名言を発した時の善逸は、かつてないほど真剣な表情を見せています。
善逸は、兄弟子の獪岳(かいがく)については嫌ってはいましたが、才能もあって努力家な点は評価しており、シンプルに尊敬をしていました。(他の隊士が獪岳(かいがく)を馬鹿にしているときは、殴り掛かるようなシーンもあります。)
そんな兄弟子を討つ強い決意をしたのは、強い恩義を感じていた師匠を自刃に追い込んだ獪岳(かいがく)への恨みであると同時に、師匠のためでもあったのでしょう。
このまま獪岳(かいがく)を野放しにすることは、師匠の教えが悪事に使われるということであり、性根が優しい善逸にとって決して容認できいないことでしょう。
まとめ:善逸の性格とその背景
上述の名言・名シーンから、善逸の性格をまとめると下記のような形になるかなと思います。
- 不安感情が強く、自己肯定感が低い(神経症的傾向)
- 性根は優しい良い奴
- 信じたい人は信じるというある意味純粋で真っ直ぐな心がある
- 女性好きでアプローチが積極的であると同時に、女性に優しいという、意外とモテる性格
上述のような善逸の性格形成には下記の点が大きく影響していると言えます。
- 親に捨てられたという過去
- 基本的に誰からも期待されるという経験がなかった
- 自分を唯一見捨てなかった師匠という心の支え
- 鬼殺隊に入ったことで常に死ぬと思っているため、結婚に焦っている