鬼滅の刃のラスボスでありながらも、作中の言動から「小物」と言われて馬鹿にされる鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)。
今回は、そんな残念はラスボス・鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)がなぜ「小物」と言われるのか?
そんな鬼舞辻無惨の性格特性を心理学的に解説していきたいと思います!
心理学で最も信頼性が高いとされるビッグファイブ分析をベースに、あなたの性格に近い鬼滅の刃のキャラクターを診断します。1分以内で回答ができて信頼性が高い内容なので、是非受けて見てください!
▼下記から鬼滅の刃キャラ性格診断を受けてみる▼

下記の、鬼滅の刃の鬼診断もぜひ合わせてやってみてください!

目次
鬼の親玉!鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)とは?
鬼の始祖
引用:©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)は、鬼の始祖であり、鬼滅の刃に登場する鬼のすべてを生み出した存在です。
主人公の炭治郎の妹・禰豆子(ねずこ)を鬼に変えた張本人であり、炭治郎を含めた鬼殺隊がその首を狙う存在です。


能力は鬼の中でも最強
能力は間違いなく作中の鬼の中では最強です。
日輪刀で切りつけても傷ができる前に再生するという異常なまでの再生能力。さらに人体に心臓が7つ・脳が5つあるという異常体質であり、鬼の弱点である頸を切っても殺すことができないという恐ろしい耐久性を誇ります。
引用:©吾峠呼世晴/集英社
俊敏性も桁外れで、”上弦の伍”ら上位の鬼に対して、攻撃を認識されるまえに一瞬で頸を飛ばしたり、無惨を包囲した鬼殺隊隊士を一瞬で皆殺しにしています。
攻撃面では、自らの血液を有刺鉄線のようにして広範囲にわたって打ち据える『黒血 枳棘(こっけつ ききょく)』などの技を使用。
引用:©吾峠呼世晴/集英社
さらに最終局面では、身体から出た11本の管を広範囲に振り回し、直撃しても即死、掠れば無惨の血を注入されて死亡するというチートレベルの技を使用。さらに、衝撃派や空気弾など放つなど尋常じゃない攻撃能力で、炭治郎を含めた『柱』たちを圧倒しました。
珠世 (たまよ)様のスーパーな毒薬で、9000年老化させるという桁外れの攻撃がなければ、確実に勝ち目はありませんでした。
無惨自身は自分を「私は限りなく完璧に近い生物だ」と言っていましたが、あながち間違ってはいないと思わせるほどの強さです。
これだけ強いのに小物と言われてしまうのは一体・・・
元々は虚弱体質の人間
無惨自体も、元々は人間でした。生まれた時代は平安時代。
不死身を欲しいままにする現在からは想像がつかないほどに、先天的に虚弱な体質であり、母親の体の中で何度も心臓は停止し、生まれた時に呼吸もしなかったため、荼毘に付されようという際に何とか息を吹き返したほどです。
当時の医師からは20歳までには死ぬといわれていましたが、無惨を助けようとした善良な医師がいました。
その医師の試作品段階の薬を試しました。一向に結果が出ないことにイラついた無惨は、この善良な医師を背後から刃物で頭を割って殺してしまいました。
引用:©吾峠呼世晴/集英社
その後、医師の薬が効きだして無惨は、原初の鬼となったのです。
太陽の克服を切望する
無敵の能力を有する無惨ですが、唯一太陽だけはどうしても克服することができませんでした。
かつて自分を治療していた医師が残した情報を頼りに『青い彼岸花』という薬が太陽克服のカギになると考えた無惨は、死に物狂いで、青い彼岸花の手がかりを探します。
引用:©吾峠呼世晴/集英社
自分が表舞台に出るのを嫌う無惨は、お気に入りの鬼の一人、上弦の参・猗窩座 (あかざ)に探索にあたらせますが、一向に手がかりがつかめない状況に、イライラを募らせていきます。
そんな可哀想な・中間管理職・猗窩座 (あかざ)の悪役としての魅力、悲しき過去を詳しく解説しているので併せてご覧ください!

唯一の敗北であり最大のトラウマ・継国縁壱(つぎくによりいち)
引用:©吾峠呼世晴/集英社
無惨の最大のトラウマであり、彼が数百年以上も怯え続ける所以の一つが、最強の剣士・継国縁壱(つぎくによりいち)との戦いです。
珠世 (たまよ)様の老化薬もない万全の状態の無惨を、縁壱はたった一人で圧倒したのです。
縁壱に勝てないと判断した無惨はギリギリのところで、粉々の肉片になって飛び散って逃げるという凄まじい戦法に出て何とか生き延びることができたのです。
この時、縁壱が付けた傷跡は、数百年もの間治癒せずに、無惨の体を傷め続けるというおまけ付きです。
これ以来、無惨にとって縁壱という存在が完全にトラウマになっています。
当然だ あんなもの そうそう生まれてなるものか
あの男の赫刀は 斬撃は こんなものではなかった
縁壱と同じ髪飾りをつけて、同じ日の呼吸を扱う炭治郎の姿を縁壱と重ねてビビるほどです。
鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)が小物と言われる理由
完璧に近いほどの強さを誇る無惨がなぜ「小物」といわれるのか、その理由を解説していきます!
部下の失敗にやたら厳しい器の小ささ
無惨の小物感が話題になった大きな要因として無惨の『パワハラ会議』が挙げられます。
那田蜘蛛山 (なたぐもやま)編で、下弦の伍の累が殺されたことに激高した無惨。
残りの下弦を全員集めて、散々厳しく叱責したのちに殺すという救いようのない会議です。
しかも無惨は、ダブルバインドという心理テクニックも駆使しして下弦の鬼を追い込むという鬼畜っぷりを見せました。
無惨:『お前、柱の剣士にあたったら逃げるつもりだろ?』
↓
下弦の鬼『いえ・・・私はあなた様のために全力で戦います!』
↓
無惨:『お前、私を否定するのか?』
↓
下弦の鬼『ひぃ・・・・』
引用:©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
ダブルバインド・・・どちらの選択肢も選べないつらい二重拘束で、相手を混乱させ強いストレスを与えるといったコミュニケーション。
この情け容赦のない姿、部下に対してやたらと厳しくあたる姿は、無惨のボスとしての器の小ささを世間に知らしめる結果となりました。
こういった無惨の態度は理想のボスとしては程遠いものとして映ったのは、世の中的にパワハラが社会問題になっており、世間がパワハラに敏感になっている社会情勢も影響していると思われます。
さらに、下弦の鬼だけではなく、上弦の鬼に対してもガンガンとパワハラをしてきます。
無惨待望の『青い彼岸花』の捜索に当たっていた猗窩座 (あかざ)が、青い彼岸花は見つからなかったが、炎柱・煉獄杏寿郎を倒したことを報告しました。

それに対して、無惨は、『柱を殺したから何だというのだ』という無慈悲な言葉を投げかけます。
引用:©吾峠呼世晴/集英社
さらに、日が昇ってきたために、炭治郎ら残りの隊士を殺し損ねたことを責め立てて、猗窩座に流れている血をコントロールし猗窩座の体を痛めつけます。
次々とパワハラを披露する、無惨は、ボスとしての器の小ささ、余裕のなさをどんどん世間にアピールしていく結果になったのです。
怒りを抑えられない余裕のなさ
引用:©吾峠呼世晴/集英社
上記のパワハラ会議からもわかるとおりに、無惨は、イライラや怒りを抑えられない癇癪持ちの性格をしています。
それはパワハラ会議以外でも、作中初期の浅草編で、酔っぱらいに『今にも死にそうな、青白い顔』と言われたことに激高。
『青白い顔だな』といったチンピラを裏拳で瞬殺。その連れの男と女も皆殺しにするという荒れっぷりを見せました。
上述の通り、怒りを抑えられない、余裕のなさは、小物感を演出してしまっています。
死への恐怖・生に対する異様な執着心
既に不死身に近い無惨ですが、その不死身に飽き足らず、太陽を克服することで完全に死を超越することに執着をしました。
その執着心ゆえに、焦りとイライラが生まれて、下弦の鬼に対するパワハラ、猗窩座 (あかざ)に対するパワハラに及ぶのです。
またパワハラだけではなく、配下の鬼全員には、自分のことを喋ったり、名前を出すだけで体が崩壊する『呪い』をかけており、情報が漏れること、また鬼たちが徒党を組んで自分に反旗を翻さないようにするという徹底っぷりです。
ある意味、この死への恐怖と生に対する執着心こそが、無惨が『小物』と言われる最大の所以なのです。
縁壱が怖いのも、とにかく死ぬのが怖いからなのです。
元々人間時代に、死に限りなく近い状態にあったことが反動となって、鬼になってからも生に対する強い執着が消えないのです。
珠世 (たまよ)様もそんな無惨を薬で追い詰めた時は、悪い顔をしながら下記のように言い放っています。
さぁ お前が大嫌いな死がすぐ其処まで来たぞ
そんな上弦の弐・童磨(どうま)のヤバすぎる性格については下記で分析しているので併せてご覧ください!

珠世 (たまよ)に臆病者と罵られる
引用:©吾峠呼世晴/集英社
浅草編で、蹴鞠の鬼を追い詰めて、無惨のことを口にさせる誘導尋問のために、無惨は臆病者だと煽った珠世 (たまよ)。
世間的に無惨の小物感が定着したのは、珠世 (たまよ)が明確に、無惨は何かに怯えている、臆病者と明言したからというのも大きいです。
実際に無惨は、とにかく『死」を恐れています。
そのため、配下の鬼全員に『呪い』をかけ、『青い彼岸花』に執着し、自分は表に出ずに人間を演じて隠居を決め込み、縁壱の面影に怯える。
ラスボスにしては、ちょっと残念くらいに臆病者・小心者だったのです。
鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)のチキンな性格を心理学的に解説
上述の通り、とにかく『死』を恐れて、小物感をさらけ出している無惨の性格特性・心理状態を、心理学の知見を交えつつ解説していきます!
無惨の根底にあるのは自己愛性人格障害
無惨の根底にあるのは、サイコパシー・マキャベリズムと並んで悪の3大気質に数えられる『ナルチシズム(自己愛性人格障害)』的な性格です。
精神科医でパーソナリティ障害に関する多くの著書を出している岡田尊司氏の著書『パーソナリティ障害』によると自己愛性人格障害の人物には下記のような特徴があるとしています。
- 過剰な自信とプライドをもつ
- 尊大で傲慢な行動、または態度
- 自分の目的のため他者を不当に利用する、搾取する
- 見た目に華があり、注意を引く服装を格好良く着こなしている
- 自分の身に受ける苦痛に関しては、どんな些細なことも許せない
- 非難をされると、耳を貸さず怒り出す。自分の非を受け入れない
自己愛性人格障害は、『自分は完璧』『自分は特別』『自分は称賛されるべき』という妄想に囚われており、それを否定するような現実・他者を一切排除するような攻撃性を持ちます。
また、ことさらに自分の特別性・完全性を周囲にアピールし、それを認めるように求めます。それが否定されるような現実や他者の行動はすべて攻撃的な反応で潰しにかかるのです。
パワハラ行動は自己愛傾向の現れ
引用:©吾峠呼世晴/集英社
上記の特徴における『尊大で傲慢な行動、または態度』は、まさに、パワハラ会議における『私は完璧であり、私がすべて正しい』という無惨の態度に一致します。
愛知学院大学の心理学科教授・岡本真一郎氏によると、『パワハラ上司の多くは自己愛性(ナルシシズム)が強く、自分がほかの人より優れていると誇張したがる傾向にあります。』と述べており、まさに無惨の行動と一致します。
他人を利用することも自己愛傾向の現れ
『自分の目的のため他者を不当に利用・搾取する』という点も、自分が太陽を克服するために猗窩座 (あかざ)を酷使したり、他の人間を鬼に変えていく無惨の行動と一致します。
無惨にとって、自分の存在以外は、すべてがどうでもいい存在なのです。同類の鬼を増やしたことも、本来は不本意なことであり、すべては自分の都合で、自分が死にたくないがために、罪なき人間たちを鬼に変えていったのです。
お洒落で派手な格好も自己愛傾向の現れ
引用:©吾峠呼世晴/集英社
無惨は、浅草編で初登場した際、お洒落なハットにジャケットという他の通行人の中で一際目立つ、お洒落な格好をしています。
また、パワハラ会議では、銀座のホステスのような高級そうな着物を着飾って登場しています。
こういった『見た目に華があり、注意を引く服装を格好良く着こなしている』点も自己愛的傾向の現れなのです。
お洒落=自己愛性人格障害と簡単に結びつくものではありませんが、無惨の場合は、自分の完全性・特別性をアピールするかのような派手な服装であり、無惨の心の闇の現れなのです。
他人からの否定や中傷にキレる癇癪も自己愛傾向の現れ
引用:©吾峠呼世晴/集英社
自己愛性人格障害の人は、他人からの批判や否定、意見を受け入れることがでず、簡単に激高してしまいます。
無惨は、自分自身が『完璧な存在』であるという妄想に囚われており、それを否定するような『青白い顔』『死にそうな顔』という自分の人間時代のコンプレックスを刺激するような発言に、我慢がならないのです。
無惨は、自分が完璧であるという妄想をしている反面、『人間時代の虚弱体質』『死にかけていた脆い存在であった』という不完全性・欠点をコンプレックスとして抱えており、こういった自己愛的な妄想に対する否定的な事実を突きつけられることは、妄想を壊されることになり、殊更に否定的、攻撃的に反応してしまうのです。
完璧主義的なところも自己愛傾向の現れ
引用:©吾峠呼世晴/集英社
自己愛性人格障害の人は、潔癖で完璧主義的な思考を見せるといわれています。
無惨は、わざわざ太陽を克服しなくても、ほとんど不死身の状態で生きながらえることができました。
しかし、『太陽の下に出れないという屈辱に耐えられない』という、まさに自分は完璧・特別な存在であるという『自己愛性人格障害』特有の完璧主義的な傾向が表れています。
この完璧主義的な思考があったゆえに、鬼殺隊の完全抹殺・自分自身の太陽克服という高すぎる目標を掲げ、その高すぎる目標がむしろ自分自身の寿命を縮める結果となったのです。
自己愛性人格障害の人はとにかく打たれ弱い
自己愛性人格障害がうたれ弱いという点について、精神科医の岡田氏は下記のように述べています。
一度自信という鎧が、突き破られるような体験をすると、自己愛性パーソナリティ障害の人は、意外な脆さを見せるのである。
『パーソナリティ障害』p109 岡田尊司
無惨も、最強の剣士・継国縁壱に完敗をして以降、数百年以上、死ぬまで縁壱の陰に怯えるようになりました。
自己愛性人格障害をもつ者は、一度大きな敗北を喫し、自信を失う経験をすると、心に大きな傷を負うのです。
精神崩壊をした有名なヒロインである、エヴァンゲリオンの惣流・アスカ・ラングレーも無惨同様に、プライドの高い自己愛性人格障害ゆえに、メンタルを崩壊させました。
真面目な日本人が陥りがちな性格的傾向でもあるので、併せてぜひご覧ください!対処法も解説しています!

情緒が安定しない神経症的傾向
無惨は、心理学で最も信頼性が高い性格診断である『ビッグファイブ分析』の5つの指標の中でも、『神経症的傾向』が高いタイプの人格特性を持っています。
神経症的傾向が高い人は、怒り、不安、抑うつ、心配性など、ネガティブな情動を感じやすい特性を持ちます。
無惨の、配下の鬼全員に呪いをかけて、情報の漏洩や徒党を組んでの謀反を防いだり、自分自身は極力表舞台には出ないようにするなどの臆病者的な行動は、まさに無惨が『心配性な性格』であることを現しています。
死に対して過度に恐怖を抱いているあたりにも、不安を感じやすい、神経症的な傾向が表れています。こういった神経症的傾向があるからこそ、過去のトラウマ的存在の縁壱をいつまでも恐れており、縁壱に近い雰囲気をもつ炭治郎を過度に恐れてしまうのです。
怒り、イライラを感じやすいという点も、パワハラ会議で下弦を虐めたり、猗窩座 (あかざ)に対してきつく当たったりしているところからよくわかります。
日本人は、欧米人と比較して、遺伝的に不安や恐怖を感じやすいために、神経症的傾向が高い人は意外と多いです。
神経症的傾向が多いと、それだけあらゆるリスクを想定して、慎重に行動するので大きなミスが少なくなるので、仕事面ではプラスの面もあるのです。
無惨の配下の鬼に対する呪いも、リスクヘッジとしては、有効な施策と見ることができます。
ただ無惨は逆に慎重になり過ぎて、勝機を失ったといえます。神経症的傾向は慎重になり過ぎてチャンスを失う危険性があるのです。
もっと早く、炭治郎が現れる前に、自分自身が産屋敷や柱を攻めていれば、鬼滅隊を早々に壊滅できた可能性は高いです・・・もっと早く攻め込んでいれば・・・
鬼滅の刃で誰と性格が近いか心理学的に診断
心理学で最も信頼性が高いとされるビッグファイブ分析をベースに、あなたの性格に近い鬼滅の刃のキャラクターを診断します。1分以内で回答ができて信頼性が高い内容なので、是非受けて見てください!
▼下記から鬼滅の刃キャラ性格診断を受けてみる▼

下記の、鬼滅の刃の鬼診断もぜひ合わせてやってみてください!

まとめ
いかがでしたでしょうか?
無惨は、心の根底には、自己愛性人格障害、神経症的傾向を抱えるという、メンタル面では多くの弱点を抱えています。
しかし一方で、神経症的傾向からくる「心配性」な性格は、一見臆病者に見えても、配下の鬼による情報漏洩や集団による謀反を防ぐなどのリスクヘッジを行わせるために有効に働いたと言えます。
無惨が、小物といわれる由縁は、こういった人間臭い人格障害によるものなのです。